お姑さんのイライラは
元からの性格でしたが
ちょっと度が過ぎていました。
家の前の道路が見える窓から
外を眺めるのが好きで・・・
というより
監視と言った方がいいのかもしれません。
我が家の車がそこにあるか
つまり、私が家に居るかの確認が
最重要だったかもしれません。
例えばガレージに車がないとまずは
「誰か家にいるの??」
と大声で確認されます。
娘や主人が出ていると
「あっそう・・」と
そんなに気にされませんが
私が出てるとわかると
帰ってくるまで何度もその窓を
開けては閉め
開けては閉め
帰ってくるまで
何度も何度も確認をされます。
そのうち、腹立たしさはMAXになって
激しく開け閉めし始めて・・・
毎日そんな調子なので
なんと2度も
窓の鍵を破損してしまいました。
それから
イライラするとすぐタンスに当たられます。
ぶつぶつと独り言を言いながら
激しく開け閉めするので
扉の金具が2度も壊れてしまいました。
家具屋さんにわざわざ来て直して貰いましたが
「ほんとにおばあさんが壊されましたか?
足で蹴飛ばさない限り
こんな太い金具はなかなか壊れませんよ」
と言われましたっけ・・・(;’∀’)
そのイライラが原因なのか
義母は79歳の時に
認知症になってしまいました。
最初は
同じ事を何度も聞かれるな~?
と不思議に思うくらいでしたが
日が経つにつれ
ほんの数分で
繰り返される事が常になってきました。
これは本当に認知症かもしれないと思い
色々調べてみると
早めの受診で薬を貰へば
進行を遅らせる事が出来る可能性もある。
と書いてありました。
それならば
早々に受診して貰おう!という事になりましたが
いざ、認知症かどうかの検査に行こうと思っても
本人が受け入れられるはずがありません。
「認知症?
誰の事言ってるの!
失礼な!馬鹿にするな!」と𠮟られます。
それでも、うまくなだめて
「元気であることを証明しに行きましょう」
と言って、連れて行きました。
簡単な認知症の検査をして貰うと
やはりその症状が見られます。
一日中、いろいろ気になり過ぎるのも良くないとの事で
夜にぐっすり眠れるように睡眠導入剤も
出して頂きました。
ですが、その薬も全く効果がなく
夜中に何度も起きては
車があるかどうかの確認をされる事が続きました。
それは10年以上経った今も続いています。
夜中の2時でも3時でも
気になりだしたら何度も何度も窓を開けて
凍り付きそうな寒い夜でも
確認をしないと気持ちが落ち着かないのです。
お医者様には
「当分は1か月ごとに検診して下さい。」
と言われましたが
主治医の言葉も
当然、覚えてらっしゃいませんので
「元気なわたしをそこまでして認知症にしたいのか!」と
逆鱗に触れてしまい
そのまま数年は病院に行く事を拒まれました。
当然、認知症の症状はどんどん進行して行き
本人が混乱してイライラされることも
さらに多くなりました。
このイライラをなんとかしないとダメだと思い
デイサービスの利用を考えるようになりましたが
利用するまでには
いろいろクリアしないといけない問題がありました。
まずは本人がデイサービスを利用したいと
思って下さる事。
納得した上で
介護認定を受けて頂かないといけません。
ご近所のお友達で
何人かデイサービスを利用されてる方が
いらっしゃいましたが
義母としては
「デイサービス=年寄りの行くところ」
という認識だったので
なかなかその気になってくれません。
ご近所のおばあちゃんにお願いして
なんとか義母を誘って頂くように
お願いしてみました。
嫌々ながらも
見学に行って下さいましたが
行きたいのか行きたくないのか
はっきりしないと言うか
「そんなに言うなら行ってやってもいいわ」
くらいのノリでした。(笑)
病院へは
相変わらず行ってくれない義母でしたが
突然チャンスは訪れました!
その頃すでに大きくなっていた娘が
たまたま心療内科を受診する事になったのです。
1年ほど海外で生活していた娘ですが
帰宅後に謎の発疹が出てしまい
皮膚科などで診察して頂いても原因がわからず
それならば一度、心療内科に受診してみては?
という事になったのです。
そのタイミングで
義母を連れて行ってくれる事になりました。
久しぶりに海外から帰宅した孫なので
うれしさも重なり
機嫌よく久々に受診して下さり
その場で
地域の包括センターへ行くように
先生から言って下さいました。
本人も悪い気はしないようでしたので
そのまま帰りに寄って
介護認定をして貰うようにお願いする事が出来ました。
当然、包括支援センターの前まで来ると
先程先生から勧められて
乗り気だった事はすっかり忘れてしまい
「今日は辞めとく」と拒否されましたが
そこは娘と二人で
なんとかなだめて連れて行く事が出来たのです。
ほんとにそれは大げさでもなんでもなく
奇跡でした。